8月6日(土)に開催されたスズキ・メソード幼児教育研究会の第8回夏期研修会。
今年はオンラインで「才能教育五訓とわが園の活動」を中心に展開!
スズキ・メソードの理念に共鳴する幼稚園・保育園で組織される「スズキ・メソード幼児教育研究会」の第8回夏期研修会が、8月6日(土)、Zoomを使って開催されました。今年もコロナ禍のため、各園が集合してのリアルな研修会はできませんでしたが、
・各園があらかじめ用意した、テーマに則した動画を発表できる
・遠路の移動を伴わないため、より多くの講師に依頼できる
・これまでの限られたメンバーの参加から、より多くのスタッフの参加が可能
・スズキの現役指導者も多数傍聴できる
といった、オンラインならではの利点が、今年も感じられました。
基調講演は、昨年に続き早野龍五・才能教育研究会会長
・コロナとスズキ
・スズキのDX
・音楽と脳〜東京大学との共同研究
・国際ティーチャー・トレーナー会議
・スズキのブランド戦略
いずれも現在進行形の、旬の話題ばかり。幼児教育研究会加盟園の若い保育士の皆さんにも、とてもわかりやすいお話でした。
今年の研修テーマは、「才能教育五訓を深める」
蔵持典与先生
三谷紀子先生
各園の発表内容
午後には、あらかじめ配布されていた「才能教育五訓」の資料をもとに、各園がそれぞれの視点で、「才能教育五訓とわが園の乳幼児教育」として研究発表。いずれも、各園の独自性を尊重した内容となり、様々な工夫が凝らされ、真摯にこのテーマに取り組まれたことがわかりました。
下記は、各園が発表されたボードの一部です。
全体プログラムは、以下のように構成されていました。スズキ・メソードの最新情報を皮切りに、「才能教育五訓」を研修テーマに選ばれた幼児教育研究会の熱意が大いに盛り込まれた内容となりました。また、最後に組み込まれたブレイクアウトルームは、Zoomの機能の一つで、小集団に分かれての分科会的な活動ができるので、今回初めて採用されました。一つの園で固まることなく、他園の保育士同士が交流を深めあう意味でも、大きな進展がありました。
2022年度 スズキ・メソード幼児教育研究会 夏期研修大会
8月6日(土)
9:00~ 開校式 土居孝信 幼児教育研究会会長
オリエンテーション
9:10-10:10 基調講演「最近のスズキ・メソード」
早野龍五 才能教育研究会 会長
10:20-11:20 講演「才能教育五訓の意味を深める」
・蔵持典与先生(関東地区ヴァイオリン科指導者)
(ティーチャートレーナー)
スズキ・メソードの五訓について〜その変遷と解釈
・三谷紀子先生(関東地区ピアノ科指導者)
(0〜3歳児コース鎌倉・藤沢教室長)
五訓の意味〜0〜3歳児コースの実践例から
11:20-11:30 質疑応答
11:30-12:30 お昼休憩(スズキ・メソード関連映像を鑑賞)
「徹子の部屋」を上映〜鈴木鎮一先生登場!
12:30-14:30 各園発表「才能教育五訓とわが園の乳幼児教育」
➀光が丘幼稚園(宮崎)
②認定こども園五風会(岸和田)
➂白百合幼稚園(松本)
➃白百合幼稚園(福島)
➄双葉ケ丘幼稚園(中津)
➅双葉中央保育園(中津)
➆ももぞのこども園(大分)
補足説明、質問、各園による感想
14:30-14:40 休憩
14:40-15:30 ブレイクアウトルームで、質問や意見交換
15:30-16:00 各グループ発表
16:00〜 閉校式 土居会長ご挨拶
実際に参加した園の保育士の皆様から感想をいただきました。
光が丘幼稚園(宮崎)
スズキ・メソードが、ウクライナ情勢にまで関わっていることを知り、改めてとても影響のあるメソードであることに驚きました。また、コロナだからと言ってマイナス思考になるのではなく、良い方向に持って行き、たくさんの人に広めていくことができるようにしていることにとても興味を持てました。
才能教育五訓について2人の先生から深く学ぶことができました。一つひとつを詳しく順序的に教えていただいたことにより、事前に読んでいた資料よりも前のことがわかり、実際に活用しているピアノ教室がどのように行なっているかなどを学ぶことができたので良かったです。
五訓の中の1つである「より早き時期」を取り入れていくことで、幼いころから繰り返し教室だけでなく、家でのレッスンも行なっていく中で、一つひとつがスムーズに行なえるようになっていくことが映像を見ながら分かることができました。その中で、メソードの大切さを理解することができたので、五訓すべてにおいて、もっと深く考えていき、実践していくことができるようにしていきたいです。また、教師の指導と子どもの自発が一致した時に初めて効果を上げるという言葉がとても響いたので、急がずにじっくり行なっていくことも大切にしていきたいです。
早野先生の講話は、引き付けられる内容で、特に「東京大学との共同研究」の話に興味を持ちました。スズキの子どもたちの聴く能力が極めて高いこと、脳における言語と音楽の処理に共通性があること、国語や音楽と同時に音楽を取得することの相乗効果を明確に示す結果があったということをきき、素晴らしい研究だなと感じました。何かを教えるには早い・遅いは関係なく、子どもが持っている「伸びようとする力」を信じることが教師にとって1番大切であると改めて感じ、私も子どもとの関わり方を見直し、今回の講話で学んだことを実践していこうと思います。
どの園も子どもたちの自主性を見極めて保育活動に取り入れている。0歳から学びが始まるが、より早き時期・よりよき環境・より正しき指導法・より多き訓練・よりすぐれた指導者の大事さが、子どもたちを教育する上で必要だと感じた。惜しみない愛情を注ぎ、保育に携わりたい。
双葉ヶ丘幼稚園(中津)
才能を伸ばす5つの「条件」がすべてうまく融合されて、育てられると、素晴らしい能力の花が咲く、という言葉をしっかりと心に留め、「五訓」を引き続き意識した活動を行なっていきたいです。特に「より正しい指導法」「より優れた指導者」は、終わりがないため、常に新しい気持ちを持って、その状況に応じた指導ができるように、柔軟さを持続させたいです。
今回の研修を通して、「才能教育五訓」については、初めて詳しく知ることができました。難しい言葉で、日頃の保育の中でいかせているかと疑問に思っていましたが、講演の中で意味をわかりやすく解説していただき、活動を振り返理、当てはめていくと「五訓」を自然と意識して取り組めていることに気づきました。他園さんの発表を聞き、その後のグループ討議でも保育の様子を詳しく知ることができ、とても勉強になりました。
各園の発表を聞き、自園でも取り組めることがあり、とても勉強になりました。早い時期でも、ハサミを使わせるのを控えるなどせず、もし危ない場面があれば、「あと少しで切れるね」と言いながら、正しい持ち方を伝えるなど、危ない意識よりもプラスになる声掛け次第で、子どももより良い成長へと繋げられることを感じました。
蔵持典与先生の「子どもの運命は、これを育てるものの手にある」という言葉や、三谷紀子先生の「子どもは、すべてを受け止める力を持っている」という言葉に、改めて子どもたちに関する環境の一つとしての自覚を持ち、精進していきたいと思いました。
当日は、朝から夕方までという長丁場でした。最後に、土居孝信会長からクロージングのご挨拶をいただきました。「再来年には、この夏期研修会が再開されてから、10年の大きな節目を迎えます。各園でしっかり研修の成果をまとめていければと思います」。
なお、8月9日には、各園の園長先生たちによる反省会もオンラインで開かれ、司会を務められた福島白百合幼稚園の塩谷元園長先生への感謝をはじめ、今後への活動を確認することができました。
来年こそ、リアルな夏期研修会になるといいですね。